中田英寿引退


ヒデ国内代表戦見納め、ジーコ去れば“引退”あるのみ?

ヒデ、国内代表ラストマッチは11・16!! サッカーのジーコジャパンが11月16日に行う親善試合(対アンゴラ)が、日本代表としての王様・中田英寿を国内のピッチで見られる最後になることが27日、わかった。

「中田が日本代表を引退する!!」。この衝撃情報は、日本サッカー界でうわさから現実の問題になりつつある。多くの日本協会関係者が、「中田はドイツW杯が最後の日本代表ユニホームになるでしょう」と、口々に認めている。

 各国の代表クラスにとって、W杯は「代表引退」を口にする一つの区切り。中田英には来年のドイツ大会がそのときにあたる。

 全幅の信頼を置いてくれるジーコ監督の「存在」が大きい。今回の予選では国内組の代表選手との衝突が数多くあったが、「ジーコが一番ドイツに行きたいと思っているから」と、自分を抑えることさえあった。ジーコ監督も、「(ドイツでは)ヒデが中心選手」と明言する。

 ドイツの次、2010年大会の開催地は南アフリカ。そのとき中田英は32歳だ。常日頃から「いつまでもサッカー選手を続けていくつもりはない」と、ことあるごとに話しており、第二の人生を歩んでいることも十分考えられる。

 また、ジーコ監督が南アフリカ大会で指揮を執ることもあり得ない。日本協会内に、「中田英寿、ドイツW杯で代表引退」の声が根強いのもそのためだ。

 11月16日のアンゴラ戦は、国際サッカー連盟(FIFA)が設定する国際ルールで、どの選手も各国協会が優先的に招集可能。同月4日に来日するジーコ監督は、「海外組の選手はできる限り招集したい」と宣言しており、もちろん中田英は呼ばれる。

 来年はW杯イヤーで、ジーコジャパンが試合をするケースも多いが、中田英の招集は非常に難しいのが現実だ。今回のように、国際ルールが適用されるのは06年3月1日の週だけ。この間のジーコジャパンは、07年夏に東南アジア4カ国共催で行うアジア杯予選が組まれている。だが、「アウエー戦なんです。ですから、日本で行う試合にはもうヒデは呼べないんです」(日本協会・田嶋幸三技術委員長)。

 さらに、W杯直前に国内で恒例の壮行試合があるが、「このままでいけば、それも日程的に厳しいんだ」と、川淵三郎キャプテンも頭を抱える。

 ドイツの本大会まであと8カ月。ジーコジャパンにとって、11月16日の試合が日本国内で行う最後のフルメンバーによる親善試合であり、これが中田英にとっての国内最後の日本代表戦なのだ。

 試合会場は、97年5月21日に中田英が代表デビューした国立競技場。これも何かの縁。国内での雄姿を、目に焼き付けておこう。