「BBフォン」利用者 顧客情報は660万人分

通話記録140万件流出か
「BBフォン」利用者 顧客情報は660万人分
 

 インターネット接続サービス「ヤフーBB」の顧客情報流出事件で、恐喝未遂容疑の共犯で逮捕され、情報を盗み出した実行犯とされる冨安泰生容疑者(24)が警視庁捜査一課の調べに、ソフトバンクBBが運営するIP電話サービス「BBフォン」の通話記録も抜き出した、と供述したことが18日分かった。流出件数は140万件に上る可能性がある。

 同課は、恐喝未遂罪で起訴された右翼系政治団体元代表森洋被告(67)=同罪で公判中=の茨城県の実家から、BBフォン利用者二十数人分、六十数件の通話記録などを同日までに押収した。

 また冨安容疑者がサーバーから盗んだヤフーBBの顧客情報は今年1月当時の全会員数にあたる約660万人分だったことも判明。新たな大量流出が明るみに出たことで、ソフトバンクの情報管理の甘さがあらためて浮き彫りになった。

 総務省は同日、ソフトバンクBBに対し、事実関係の再調査などを求め行政指導した。

 調べでは、押収されたのはA3判の用紙1枚。BBフォン利用者と相手先双方の電話番号、通話開始時刻や時間、料金、通し番号などが印字されていた。利用者や通話先の個人名はなかった。

 冨安容疑者はハッカー仲間だった元ソフトバンクBB契約社員からパスワードを入手、1月にインターネットカフェから同社データベースに侵入し、顧客情報と一緒に通話記録も盗み出したとみられる。

 冨安容疑者は通話記録を自分のパソコンのハードディスクに数日間保存したが「すぐに電子レンジに入れて消去した」と供述。データを悪用した形跡はないという。

 森被告は娘婿の森琢哉容疑者(35)=恐喝未遂容疑で逮捕=らと共謀、盗み出した顧客情報のうち約460万人分を元にソフトバンクを恐喝、現金10億―20億円を脅し取ろうとした。