日本代表次期監督、デシャン氏が第1候補…交渉“大詰め”


日本代表次期監督、デシャン氏が第1候補…交渉“大詰め”

ドイツW杯後の退任が決まっているジーコ監督(53)の後任問題で、日本サッカー協会が元フランス代表主将のディディエ・デシャン氏(37)を第1候補に、最終交渉を進めることが分かった。世界に名をとどろかせたビッグネーム、なおかつ欧州からの招請を基本に模索していく。

 準備に怠りはない。ジーコ監督の後任第1候補もやはり世界的にビッグネーム、その大物はフランス人のデシャン氏だった。


 日本協会は前監督招へい時にトルシエ氏の推薦を受けたほか、福島に開校したJFAアカデミーでも協力を仰ぐなどフランス協会とは密接な関係を持つ。フランス側も将来の自国の“代表監督候補”としてデシャン氏に他国代表監督の“修行”を薦めており、日本側も実現に向けて最終交渉を進める意向だ。


 デシャン氏は自国開催の98年フランスW杯に主将MFとして臨み、母国の初優勝に貢献した。01年の現役引退後にフランスリーグ・モナコの監督に就任し、低迷するチームを2年目の02−03年シーズンにリーグ2位に引き上げ、翌03−04年シーズンの欧州チャンピオンズリーグで準優勝に導いた手腕を持つ。


 モナコの監督を昨年9月に辞任。マルセイユから来季監督のオファーを受けたが、最近になって断っている。その理由は自身が接触を認めるセリエAユベントス、さらに代表チームからの要請とみられるが、同氏に近い関係者は「代表とは日本ではないか」と明言する。日本協会・川淵三郎キャプテンは次期監督について「こちらからお願いするのではなく、やりたいという意欲のある人に任せたい」という方向性を示す。


 ジーコ監督がそうだったように、ビッグネームの監督が就任するメリットは大きい。ジーコ体制下ではチェコイングランド、ドイツといった強豪国との国際親善試合が実現した。


 今回のデシャン氏の招へいは、また別の大きな意味があり、それはMF中田英ボルトン)の去就問題。中田英は22日のブラジル戦前に自身のホームページで代表引退をほのめかす文章を更新した。しかし、まだ日本代表には不可欠な存在だけに、名選手としての経験で引き留めるという重要な役割もある。


 「ブラジル人以外で3人程度に絞り込んだ」と日本協会関係者。第1候補とするデシャン氏のほか、代表キャップ90試合で監督としても02年日韓W杯で母国を準優勝に導いたルディ・フェラー氏(46)、ブンデスリーガシュツットガルト監督などを歴任して現在はドイツ代表テクニカルディレクターのマティアス・ザマー氏(38)という2人のドイツ人候補も挙がる。


 2010年南アフリカW杯に向けた次期日本代表監督問題は最終局面に突入する。