引退戦は中田ジャパンVS世界選抜

現役引退を発表したW杯日本代表MF中田英寿(29)に豪華な花道が用意される。電撃表明から一夜明けた4日、マネジメント事務所に引退試合のオファーが複数届いたもので、日本サッカー協会も開催へ支援する意向。世界中に豊富な人脈を持つだけに、ブラジル代表FWロナウド(29)らそうそうたるメンバーによる、世界選抜VS日本代表のカードが有力。来年春にも日本で行われる可能性が高まった。

 中田が日本で“ラストマッチ”を行う。電撃的な現役引退表明から一夜明け、日本サッカー界最大の功労者のため、晴れの舞台が用意されることになった。

 中田と契約するマネジメント事務所サニーサイドアップの関係者は「引退試合をやりたいという連絡が複数あります」と明かした。広告代理店などから複数のオファーが届いたもので、関係者は「前園(真聖氏、元日本代表MF)もやっていないから一緒にやるのはどうか」と前向きに検討していることも明言した。

 動きだしたのは広告代理店ばかりではない。ドイツ滞在中の田嶋幸三日本協会技術委員長は「引退試合をやるべきだと思う。功労者以上(の存在)だし、彼だったら日本代表のユニホームを着て試合をやってもいい」とコメントした。サッカー選手の引退試合は従来Jクラブが中心となって開催してきた。だが、中田の場合は別格扱いで、日本協会が主導権を取り、原則的に国際試合以外では使用できない日本代表のユニホームの着用まで許可される。

 1977年に釜本邦茂・現日本協会副会長が代表引退試合を国立競技場で開催し、サッカーの王様、ペレが率いるニューヨーク・コスモスと対戦したケースがあるが、現役引退試合で日本代表のユニホームを着るのは中田が史上初めてとなる。

 中田の築いてきた人脈を考えれば、海外からも大物選手の参加が予想されるため、日本代表VS世界選抜のカードが見込まれる。参加選手は未定だが、ロナウドアドリアーノのブラジル代表2トップ、イタリア代表デルピエロらが候補となる。中田は両方のチームで出場し“戦友たち”と最後の競演を果たす。開催時期は欧州リーグがオフとなる来年春が有力だ。

 中田が日本国内でプレーしたのは昨年11月16日の日本代表―アンゴラ代表戦が最後。公式サイトで「みんなの声を胸に、誇りを失わずに生きていく」と心境を明かしているが、引退試合なら自らの肉声でサポーターにあいさつすることができる。ファン、選手、関係者が一体となって演出する豪華な花道。中田が惜別のキラーパスを披露する。