流行サンダル、エスカレーター巻き込み事故40件


人気の樹脂製サンダルを履いた子供らがエスカレーターのすき間にサンダルを巻き込まれる事故が今年5月以降、計40件起きていたことが経済産業省独立行政法人製品評価技術基盤機構の調べでわかった。

 このうち7件は、足の指を骨折するなどの人身事故だった。同機構では、同じタイプのサンダルを履いた子供がエスカレーターの縁の部分に立つと引き込まれる可能性があるとして、ステップの中央部に乗せるよう、注意を呼びかけている。

 このサンダルは、アメリカに本社があるシューズメーカー「クロックス」が開発し、2005年から日本国内で販売。ほかに少なくとも数社が類似の素材やデザインのサンダルを販売している。甲の部分に通気穴があき、木靴のようにすっぽりと足を覆うユニークなデザインで、歩き方によってストラップの位置も変えられる。

 履き心地の良さから人気を集め、特にクロックスのサンダルは、今年に入ってから200万足を売り上げるヒット商品となった。

 ところが、今年5月から先月25日まで、東京、神奈川、愛知、福岡など11都県の商業施設や駅のエスカレーターで、ステップの前部や側面部のすき間にサンダルの一部が引き込まれる事故が計39件発生。このうち6件は足の指を切るなどする軽傷の事故だった。39件のうち被害者の年齢が判明している26件は、2〜10歳の子供の事故だった。

 さらに先月28日、JR東京駅構内のエスカレーターでは、5歳の女児がサンダルをステップの側面部のすき間に巻き込まれ、中指を骨折し、3本の指のつめをはがす重傷を負った。JR東日本によると、エスカレーターのすき間の大きさに問題はなかったという。

 同機構によると、事故の大半は、エスカレーターのステップで立つことが禁じられた黄色い枠の部分に子供が足を置き、サンダルがすき間に引き込まれた可能性があるという。現時点で、サンダルの材質に問題があるのか、それともエスカレーターに問題があるのかは判明しておらず、今後、同機構が調査を進める。

 このサンダルをいち早く国内で販売し、ブームの火付け役となった「クロックス・エイジア・プライベート・リミテッド」によると、40件のうち同社の製品での事故は18件確認した。ただ、製品が原因による事故ではないとして、自主回収などの対応は取らないという。同社では「販売時に注意を呼びかけるなど、どうしたら事故の危険を減らせるかを検討していきたい」と話している。

(2007年9月7日3時6分 読売新聞)

流行サンダル、エスカレーター巻き込み事故40件
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070907i101.htm?from=main1